かごしま黒豚のルーツ
黒豚と言えば、鹿児島県で飼育されたバークシャーの豚肉、「かごしま黒豚」が有名です。
黒豚のブランドは、岡山や、群馬、埼玉といったところにも存在しますが、やはり鹿児島の黒豚は特別な扱いであると言えます。
かごしま黒豚の最大の特徴は、顔面、後躯、4本それぞれの足の先端部に六白という白い部分が全6箇所あるという点があげられます。
そんなかごしま黒豚のルーツは非常に古く、なんと戦国時代から「歩く野菜」と称され食べられていたというほど。
元をたどれば、中国から大海原を渡り琉球へ来たのがきっかけだそうです。
その後、奄美大島方面を中心に、貴重な食材として認知されるようになり、長年にわたって黒豚が生産され続けています。
かごしま黒豚の生産地
かごしま黒豚は、鹿児島県本土全体で生産されています。
中でも、薩摩半島西部の川辺地域と、大隅半島の曽於、肝属地域、そして伊佐地域が主な生産地となっています。
とくに、「鹿児島の北海道」とも称される伊佐地域では、農産物生産全体の割合の内、黒豚が4割以上占めています。
ただ、近年はデフレの影響により低豚価が進み、出荷頭数は減少する一方とされています。
3種類の系統豚
また、鹿児島では3種類の系統豚が存在します。
「サツマ」、「ニューサツマ」、「サツマ2001」という名称がそれぞれにつけられていて、皆タイプが異なります。
サツマの特徴
サツマは、アメリカバークシャーを主としたもの。
ロース芯面積が狭いのが特徴で、食肉業界ではあまり人気がありません。
とはいえ、通常は8ヶ月とされている出荷可能月齢は6ヶ月と極めて早い種でもあります。
ニューサツマの特徴
ニューサツマは、サツマとは異なりイギリスバークシャーを主としたもの。
産質性、肉質の向上に日々改良を重ねられています。
サツマ2001の特徴
名称は「サツマ2001」ではあるものの、サツマ、ニューサツマの血は一切混ざっていない系統となります。
サツマやニューサツマと比較して、より発育の向上を目的として改良されています。
土着度の強い在来黒豚が主体となっています。
また、現在進行形で、4つめの系統豚の造成も進められています。
これら三種類の系統豚にしかない特徴というものがあり、繁殖能力に長けていたり、産肉能力が優れていたりといったことが挙げられます。
そのほかにも、遺伝子能力に差が出にくいといったこと、肉質、経済性が優れているといった点もあげられます。
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