牛肉の保水性について
保水性は肉自身が持つ、「水分をどれだけ保てるか」というものを指します。
牛肉を美味しく食べるには加熱処理を加えた時の保水性がポイントとなります。
松阪牛や神戸牛などの質の良いお肉でも保存状態が悪いと保水性か悪化してしまうなんてことも・・・。
保水性を左右するものとは
牛肉には20%から30%程度のタンパク質が入っているといわれています。
そして、牛肉の中に含まれている成分に筋原線維たんぱく質というものがあります。
その中でもミオシンと呼ばれる必須因子が保水性に関わっているんです。
塩漬けすると良い?
塩をつけることでミオシンが抽出され、より一段と粘度がアップします。
ただし、時間が経過しずぎると結着効果が失われ、保水性が失われていきます。
牛肉はどうやって食べると美味しい?
保水性が高い方がお肉が柔らかくジューシーさを感じられます。
その保水性を保つ上で大切なことが鮮度。
牛は死後24時間を超えると、肉が段々と硬くなってしまうんです。
24時間以内に食べられる?
ただ現実問題、出荷されてスーパーなどに手回り、そこから購入者が調理して食べるまでに24時間以内というのはかなり厳しい条件ですね。
そこでポイントとなるのが、低温貯蔵。
お肉を一定の温度に保つことで、保水性が保たれ、旨みも増します。
保存状態が良ければ柔らかくなる?
単純に24時間超えてしまったからといって、硬くなるわけではありません。
2℃から4℃程度の温度に保つことで肉が熟成されます。
うまく熟成できれば、むしろ1週間程度たった肉の方が柔らかくなることがあるんです。
保水性が高いと加熱後に変化が!
保水性の高いお肉と低いお肉では加熱した時に違いが生まれます。
保水性が高い肉の方が遊離液汁量が少なくなるんです。
遊離液汁量とは
遊離液汁量は簡単に言えば、お肉から肉汁が流出してしまう量。
遊離液汁量が低いほどジューシーさを感じられるお肉ということになります。
牛肉の食べごろとは
保水性を保ち、柔らかいお肉が食べられる熟成期間は1週間から2週間程度。
それより短い期間ですと、熟成が足りず旨みを感じられません。
逆にそれ以上時間が経過してしまうと、風味と色見が劣化してしまうのでお勧めできません。
もともと兼ね備えている肉質の良さと熟成のタイミングが一致することで、最高の肉質を体感することができるでしょう。
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