地養豚とは?
地養豚(じようとん)って、ちょっと聞きなれない豚の名前ですね。
おいしい豚肉はたくさんありますが、地養豚と一般の豚のちがいは食べている飼料にあります。
地養素について
地養豚は、地養素という飼料を食べて育ちます。
では地養素とはどんな飼料なのでしょう?
木炭を作るときにたくさんの煙が出ます。
その煙をあつめて冷却したものを木酢液(もくさくえき)といいます。
木酢液のなかから有害な成分を取り除いて精製します。
さらに海藻、ヨモギ、ゼオライトを加えて飼料に混ぜ込み混合飼料を作るのです。
ゼオライトとは整腸作用がある天然鉱石のことで、結晶の中に細かい孔があり、木酢液を吸着させてくれます。
この混合飼料を地養素といいます。
地養素を食べて育ち、全国地養豚協会が認定した品質の高い豚の肉を地養豚といいます。
ちなみに養鶏にも応用されていて地養鳥、地養卵があります。
地養豚の特徴
こだわりの飼料でそだった豚肉の味わいがどうなるのか、気になりますね。
特徴を見てみましょう。
強い甘みやコク
地養素の木酢液に含まれている有機酸は、乳酸をできにくくします。
乳酸は体のなかにたまると疲労を引き起こす物質として知られています。
疲労物質の形成が少ない一方で、糖質をブドウ糖に変えて豚の体内に蓄積させます。
また、地養素のなかには海藻やヨモギが入っていて、たくさんのアミノ酸やミネラルが豚肉の味わいのもとになります。
地養素を与えると、甘みの強い、味わいの深い肉質の豚が育つのです。
肉に臭みがない
豚肉の独特の臭みが苦手な方もいるのではないでしょうか。
地養素中の木酢液は豚肉の臭みの原因を分解してくれます。
アンモニアなどの臭いがしないので地養豚は食べやすいと好評です。
コレステロールが少ない
地養豚にはうれしいことにコレステロールが少ないという特徴があります。
地養素を食べた豚は、木酢液のはたらきにより体質がアルカリ化する傾向があります。
アルカリ化によって、体内では酸として存在するコレステロールを減少させてくれます。
またアルカリ化した豚の肉はきれいなピンク色をしています。
アクが少ない
肉を加熱するとお鍋などに浮いてくるアク、ご存知ですよね。
地養豚にはアクが少ないのです。
ゆでたり煮たりしているときに旨み成分が逃げにくいことにつながります。
このように地養豚には、うれしい特徴がいっぱいです。
きれいな光沢や色、柔らかい肉質をもった豚肉なのです。
地養豚の歴史
地養豚の発表は1987年のことでした。
当時はごく限られた生産者の手で飼育され、次第に頭数が増えていきました。
各生産地ごとの工夫が行われ地養豚は流通するようになりました。
2005年には全国地養豚協会が設立され、より信頼される地養豚の生産に力を入れるようになっています。
地養豚の生産者は全国にいます。
地養豚として認定された豚肉にはラベルが貼られているので、見かけたらぜひ手に取られてはどうでしょうか。
参考
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