褐毛和種(あかげわしゅ)とはどんな牛?
一般的にイメージされる牛といえば、白と黒の斑点模様の牛、あるいは黒毛和牛が多いでしょう。
褐毛和種はそういったものとは違い、毛の色が茶色や淡い褐色をしている牛を指します。
毛並みだけで言えば、馬などに近いかもしれません。
特徴とは?
褐毛和種の特徴としては、中躯と後躯がしっかりしていて、肉がたくさんついていること。
そのため、枝肉歩留が良く、産肉能力(肉の取れる量)が他の牛より高いんです!
枝肉歩留とは、骨や臓器など肉以外の部位を省いた割合です。
体格的にも、黒毛和種よりもちょっと大きいです。
何を飼料としている?
地域によって異なりますが、褐毛和牛で有名な熊本では、阿蘇の恵みを活かした飼料が中心!
主な飼料として穀類の大麦や小麦、おから、米粉などを食べています。
熊本産の褐毛和牛は阿蘇の食材が多くなっています。
褐毛和種はどのように生まれた?
褐毛和種は、もともと熊本と高知で飼育されていた品種にシンメンタール種を交配させた牛です。
シンメンタール種と交配させたのは、朝鮮牛が土着化した阿蘇牛や矢部牛などと言われています。
誕生したのは明治から大正にかけてなので、歴史のある品種と言えます。
現在の飼育数とは
現在日本では、肉食用として流通しているほとんどが黒毛和牛です。
そのため、褐毛和種の割合はかなり減ってきているんです。
数でいうと、大体2万から2万3000程度と言われています。
今後、絶滅してしまうことはある?
日本で流通しているほとんどが黒毛和種で、それ以外は輸入牛に頼っているのが現状です。
なんと褐毛和種の割合は、市場で1%未満・・・。
それでも熊本や高知などは伝統的に引き継がれている品種なので、今後も絶やさず継続していくことでしょう。
褐毛和種はどんな肉質?
流通している数が少ない褐毛和種ですが、他の牛に比べて赤身が多いという特徴があります。
ただ筋線維はそこまで細かくないので、脂肪交雑具合では黒毛和牛には劣ります。
好き嫌いが分かれる?
褐毛和種は、「赤身部分が多い肉が好き」という人に向いているお肉です。
柔らかさや口溶けでは黒毛和牛に劣りますが、歯応え、肉本来の食感では十分な肉質です。
ヘルシー志向や脂肪を好まない人には、向いている肉質と言えるかもしれませんね。
こんな栄養素も含有!
褐毛和種には、多くの栄養素が含有されています。
ビタミンB1やビタミンB2、カルシウム、鉄分、タウリンが豊富です。
牛肉の中ではコレステロールの低い肉なので、ダイエット中の方にもおすすめですよ。(もちろん部位にもよりますが・・・。)
希少価値のある牛肉を食べてみたいという方はぜひ、褐毛和種をチェックしてみてくださいね。
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