豚肉の保水性について
豚肉の保水性は筋原線維フィラメント間の空間にどれだけ水分が存在するかによります。
これは素人が見ただけでは分かりません。
遠心分離法や吸引法、ドリップ法と呼ばれる測定を行い、豚肉の保水性をチェックしていきます。
加齢により保水性も変化
若い子のお肌がピチピチなように、豚も仔豚の方が保水性があってピチピチなんですよ。
加齢により保水性が減少し、お肉が硬化していきます。
お肉が硬くなる原因
豚肉はコラーゲン繊維が加齢に伴い固体化して、分子同士が結合します。
その結果、仔豚よりも硬い肉質が形成され、歯ごたえはあるものの口溶けという点ではどうしても劣ってしまいます。
保水性に優れた仔豚
生後1、2ヶ月程度の仔豚は塩可溶性コラーゲンが多く、固体化していません。
ただ、柔らかさには定評があるのですが脂肪分がまだ少なく、風味や旨味という意味ではやや物足りなく感じます。
そのため市場に出回っている生後5、6ヶ月程度の豚肉が1番好ましい肉質と言われています。
品種によって保水性に違いも!
豚の品種として有名なランドレース種、大ヨークシャー種、デュロック種。
中でも水分喪失率が低いのがデュロック種。
調理しても旨味を肉にしっかりと閉じ込められている品種といえるでしょう。
ただし、ランドレース種の大ヨークシャー種も交雑豚に比べれば低い値となっているので良い肉質です。
飼料より品種が大事
各農家でこだわりの飼料を与えているところもあるでしょう。
しかし、保水性や産肉形質は餌よりもむしろ品種が大切です。
例えば、交雑豚にいくら良い餌を与えても、サラブレットのブランド豚には勝てないというわけです。
保水性が高い豚肉の魅力とは
保水性が高い豚肉の魅力は何と言っても、そのジューシーさ。
肉汁を感じながら食べたいという場合には、ステーキや焼肉にして食すのがベストです!
硬くならず、柔らかい食感が実現!
そして保水性が高いことによる影響は食感にも関わってきます。
保水性が高いと、それだけ肉が酸化せず長期間硬くならず柔らかい肉質を維持できます。
風味が落ちないのも強み
どうしても保水性が低い肉は冷凍保存などした場合、再度解凍して焼いても、パサついた感じや風味が落ちることがよくあります。
しかし、保水性がある豚肉は臭みが生まれにくく、肉も硬くなりにくいです。
そのため、長期保存ができるという点でも優れています。
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