地鶏とブロイラーの違いとは
普段スーパーなどで見る、若鶏と呼ばれる「ブロイラー」という鶏と、各地で飼育される高級な「地鶏」。
一体どんな違いがあるのでしょうか。
飼育期間の長さがぜんぜん違う?
地鶏とブロイラーの最大の違いは飼育期間の長さ。
ブロイラーは、いち早く出荷するということを意識して飼育されているため、飼育期間は約1ヶ月半程度。
だいたい40日から50日程度が多くなっています。
自然の鶏の成長に任せているというよりも、人間の手によって品種改良されたものとなっています。
そのため、生育に障害が出ていて、ブロイラーの3割程度は歩行困難や体重のバランス維持が難しくなっています。
急速な発育に体がついていけず、心臓疾患で亡くなってしまう鶏も・・・。
ブロイラーは人間のエゴによって作られた、ちょっとかわいそうな品種でもあるんです。
一方、地鶏はそのような品種改良は行っておらず、じっくりとした飼育が基本となっています。
地鶏の飼育期間はブロイラーのだいたい倍に相当する80日以上。
中には120日以上飼育されている地鶏もいて、生育期間の長さが地鶏の特徴の一つとなっています。
休薬期間にも違いが!
鶏を市場に出荷する前には必ず、休薬期間というものを設けています。
休薬期間とは、抗生物質などの薬の服用を行わない期間のこと。
ブロイラーの休薬期間は、せいぜい1週間程度です。
しかし、地鶏の場合はそれ以上の期間を取り入れていて、中には60日ほど休薬期間を設けている例も!
薬の副作用が生まれにくい状況で出荷していますから、地鶏の方が安全性が高い鶏と言えます。
ちなみに薬は、全部の鶏に処方されるわけではありません。
疾病の発症が確認された時にワクチンや薬を与えるケースがあります。
休薬期間が長いので、地鶏の体内に薬が残ってしまう可能性が非常に低いんです!
ブロイラーは病み上がりで世に出荷されている可能性もありますが、地鶏は完全な健康体で出荷されると考えるとわかりやすいかもしれませんね。
育て方にも大きな違いが!
飼育期間の長さや休薬期間の長さについて、ご紹介してきました。
そして飼育されている環境にも地鶏とブロイラーでは大きな違いがあります。
地鶏は人間と同じように日が暮れれば、それに応じて暗闇の時間が設けられます。
しかし、ブロイラーは短期間で増体促進効果を発揮させるため、ほぼ24時間消灯しません。
常に明るい環境で生活させ餌を食べたり、給水するなどして体を大きくするための環境で飼育されています。
また、スペースも1平方メートルあたり10羽以下で優雅に暮らしている地鶏に比べ、ブロイラーは16羽前後。
ブロイラーは急いで成長させられたり、窮屈な環境で飼育されるなど過密な状態で成長する鶏です。
それに対し地鶏は、ゆったりとした環境と、活動的になれる場所で育てられています。
いわば地鶏は、「育ちの良いお嬢様のような鶏」というわけですね。
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