「神戸牛」というよりは「神戸ビーフ」として世界的に知られている「神戸牛」。
その歴史は明治維新のころにさかのぼります。
日本の開国とともに歩んできた神戸ピーフとはどんなお肉なのでしょうか。
神戸牛は元々農作業牛
明治以前の日本は鎖国していた上に肉食を禁じていたのはご存じの方も多いでしょう。
当時の日本の牛は食肉としてではなく、農作業用としての家畜だったのです。
開国後、日本にやってきた外国人がどうしても肉を食べたい、そこで農家に牛を譲ってもらって食べてみた、それがとても美味しかった…それが神戸ピーフの始まりです。
このとき、外国人が譲り受けたものは但馬牛。
農作業用の牛なのにこんなにおいしかったのだとさぞ驚いたことでしょう。
但馬牛って?
それでは「但馬牛」とはどのようなものなのでしょうか。
「但馬牛」はその名の通り、もともと兵庫県但馬地方で平安時代から飼育されていた牛です。
「神戸牛の歴史」にもあるように、平安時代には文献に現れています。
「枕草子」などでもお馴染みの「牛車」などがそれですね。
この牛も京都からの距離を考えると但馬牛だと思われます。多少は食用にもしていたようです。
但馬牛についてもっと詳しい内容は但馬牛とは最高級牛肉の元祖!にて記事にしています。
神戸牛と但馬牛の関係は?
神戸牛は但馬牛が素牛(もとうし)となっています。素牛というのは生後6ヶ月~のいわば赤ちゃん牛のことです。
牛に限らず、食肉には「日本食肉格付協会」が定めた「肉質等級」というものがあります。素牛が成牛となり出荷されるときに格付けされるのです。
このうち「歩留等級(牛一頭から取れる肉の量)がAまたはB」の牛を「但馬牛」と言いますが、さらに「神戸牛」「神戸ビーフ」と呼ばれるには以下の条件があります。
1.雌の場合は未経産牛(子牛を生んだことがない)、雄の場合は去勢牛(繁殖させない)
2.BMS(牛脂肪交雑基準=霜降りの割合)の値が№6以上
3.枝肉の重量が基準の量以上(雌雄によって異なる)
※肉に細かな傷がついている場合は判断による。
このような厳しい審査を経て、見事「神戸牛」と呼べるのです。
国際的に人気の神戸牛へ
2009年にアメリカのオバマ大統領が来日しましたがその時に「神戸ビーフが食べたい」と言ったのは有名です。
肉の本場であるアメリカ、その大統領に指名されるとは和牛冥利につきるというもの。
オバマ大統領だけでなく、日本を訪れる著名人や、観光客にも神戸牛は評判がいいのです。
150年以上前から外国人に愛されていた但馬牛の系譜…それが神戸牛につながっているのです。
神戸牛を食べると世界が見えるかも?ぜひお召し上がりください。
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