「神戸牛」という牛は存在しない?
神戸牛のルールのお話をする前にまず知っておいてほしいことがあります。
「神戸牛」という種類の牛が存在するわけではないということです。
正しくは但馬牛
神戸牛は、但馬地方で育つ「但馬牛」です。
その但馬牛の中でもトップクラスの牛が、神戸牛となります。
但馬牛についてもっと詳しい内容は但馬牛とは最高級牛肉の元祖!にて記事にしています。
近江牛や松坂牛も
実は、近江牛や松坂肉ももとは但馬牛から生まれているんです。
ですので、もともと神戸牛という牛が存在するというわけではなく、但馬牛がお肉になった後にはじめて「神戸牛」として認定され流通します。
また、すべての但馬牛が神戸牛になるということではなく、極一部の優れたお肉のみが神戸牛となります。
神戸牛の歴史
さて、ここからは神戸牛の歴史についてお話します
実ははじめに神戸牛を見出したのは、日本人ではないんです。
遥か昔、神戸に訪れた外国人が神戸牛を見つけました。
その当時日本ではまだ牛を食べるという習慣が一切無い時代で、生類哀れみの令や仏教の教え等の影響でひそかに食べる人がわずかにいたというくらいでした。
そのため、その外国人は苦労して日本の牛商人を探し、その後日本に牛肉を食す文化そのものを植え付けました。
気がつけば、これまで一切存在しなかった「牛肉店」が至るところではじまり、多くの人が利用するようになりました。
そして、文明開化とともに日本の食文化に新しい文化が多く加わったことも相まって、じょじょに牛肉がポピュラーな存在へと変わっていきました。
世界規模の名ブランドとなった神戸牛
こういったことから、神戸牛が日本人に牛肉を食べる文化そのものを浸透させたということが言えます。
その後神戸は、日本における牛肉の発祥の地として有名になると同時に、神戸牛も全国規模で知れ渡ることとなりました。
今となっては、神戸牛の知名度は世界規模となっており、神戸という地名を知らないにもかかわらず神戸牛のことはよく知っているという外国人も多数存在します。
そのため、本場で神戸牛を堪能したいがために日本に訪れるといった外国人もいるほどです。
正式名称は「神戸牛」ではない?
最後に、そんな神戸牛の呼び名について触れておきましょう。
たいていの方は神戸牛(こうべぎゅう)と呼んでいることかと思いますが、実は正式名称は神戸牛ではありません。
正式名称は、「神戸ビーフ」もしくは「神戸肉」です。
一般的には「神戸牛」で浸透しているかと思いますが実は違うんですね。
とはいえ、一般的な認知度が高い「神戸牛」と表記しているお店もありますし、正式名称で「神戸ビーフ」または「神戸肉」と表記しているお店もあり、お店によってまちまちです。
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